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ヒアルロン酸(細胞外基質)品質基準JRQ-Q-038 制定:2026年9月7日

一般社団法人 再生医療品質基準協議会 制定基準(原文)

一般社団法人再生医療品質基準協議会

制定:2026年9月7日 / 施行:同日

前文(制定の趣旨)

ヒアルロン酸は高分子であり、同じ含量でも分子サイズの構成や測定条件が一致するとは限らない。平均分子量だけでは分布の広がりが分からず、粘度や総糖量も単独では成分の識別根拠にならない。本基準は「細胞外基質」を文書上の分類として用い、糖鎖の同一性、分子量分布及び溶解操作を伴う検査の記載を整える。

第1条(目的)

ヒアルロン酸の量と分子サイズを別の品質項目として管理し、測定法を含めた比較を可能にする。JRQ-Q-001の共通要求を、高分子原料の受入れ、製剤の採取及び保存後の再測定に適用する条件を定める。

第2条(適用範囲)

対象

由来を特定したヒアルロン酸、そのナトリウム塩等及び経口食品の粉末、錠剤、カプセル、液状品に適用する。発酵又は動物組織からの抽出と、分子サイズを調整した原料を含む。架橋体、化学修飾体、注入用途及び細胞加工用資材の適合判定は本書に含めない。

第3条(用語の定義)

  • 1. ヒアルロン酸塩:ヒアルロン酸の酸性基に対イオンが対応する形態。酸と陰イオンの関係は[公的化学資料](https://www.ebi.ac.uk/chebi/CHEBI%3A132153)で照合する。
  • 2. 分子量分布:指定した方法で測る分子サイズの構成と、その広がりを表す情報。
  • 3. 鎖長調整:管理された処理により糖鎖の長さの構成を変更する製造操作。
  • 4. 溶解履歴:試料の投入順序、攪拌、液性、温度及び測定までの保持を記録したもの。

第4条(要求事項)

1 品質要求:糖鎖と塩の同一性

糖鎖の構造資料と、選択的な分解による生成物の確認又は分光学的試験を組み合わせ、他の多糖からヒアルロン酸を区別すること。ナトリウム塩等の指定は対イオンの結果と合わせて判定する。粘度のみで受入れを決定せず、標準試料と実試料の対応を試験記録に残す。

2 品質要求:分布と残留物

平均値の種類、分布の算出法及び校正方法を規格書に記すこと。事業者が含量、分子量分布、残留たんぱく質、核酸及び工程由来不純物の規格を定め、由来と精製資料から根拠を示す。「低分子」等の区分語を用いるならその事業者規格を公開し、平均値が同じという理由で異なる分布を同等としない。

3 製造管理:鎖長調整の接続

発酵原料は菌株管理、培地、菌体分離及び回収を、動物原料は種、組織と抽出を記録すること。鎖長調整を行う場合は処理前後の分布と反応停止を確認する。GMP等の認定を受けた製造施設を使用し、認定主体、種類及び対象工程を公開する。原料回収、分画、乾燥の各ロットを接続し、再処理品の混合履歴も保管する。

4 検査:溶解による変動

最終製品の成分分析及び重金属等の安全性関連検査は第三者機関で行うこと。試料の溶解不足、ろ過による高分子画分の損失及び攪拌に伴う分布変動を評価する。粘性のある液は採取量と均一性を確認し、機関名、対象項目及び結果照会先を示す。含量と分布の結果には、それぞれの溶解履歴と測定法を対応させる。

5 表示要求:量と分布の併記

一日摂取目安量と当該量当たりの含量を、酸基準か塩基準か示して記載すること。水分、担体及び対イオンの扱いを換算書に残す。分子量を公表する場合は測定対象が原料か最終製品か、平均の種類及び分布資料の参照先を添える。表示する値が採用した測定条件と一致するか出荷審査で確認する。

6 保存要求:糖鎖の推移

包装、温湿度、液性及び共配合物の条件ごとに、含量と分子量分布を追うこと。総糖量が保たれていても分布が変わる可能性を検討し、粘度の推移を補助記録とする。事業者は保存方法と期限を試験根拠から定める。開封又は再溶解を案内する製品では、操作後の採取と分布を別に確かめる。

7 摂取上の注意

粘性のある液や粉末の調製品では、計量器具及び溶解順序を包装説明に合わせること。治療中・投薬中の者は医師に相談する旨を表示する。原料由来と加工助剤の情報から製品別の注意を審査し、分類語「細胞外基質」だけを見て経口以外に使用されないよう、使用区分の記載を確認する。

8 資料管理

分布の原データ、校正記録、ろ過材、溶解履歴及び鎖長調整の工程番号を連結すること。事業者が保存期間を決め、測定原理や校正物質を変えたときは新旧結果を比較できる範囲を記録する。公開した平均値から元の分布図へ辿れるか確認し、図の一部だけを差し替えた版を残さない。

第5条(評価区分)

  • 適合:上位基準を充足し、糖鎖、塩型、含量及び測定条件付きの分布が一貫して説明される。
  • 一部適合:同一性と分布・量は検証済みで、資料の配置等の不足について補完予定がある。
  • 不適合:粘度だけで同定する、平均値を方法なしで示す、又はろ過で失う画分を未評価とする。

第6条(運用)

自己適合宣言には原料の分画区分と測定法を添える。本協議会は申請資料の溶解履歴と分布図を確認する。鎖長調整、ろ過工程又は測定原理を変える際に再評価し、定期確認で公開値と方法版の対応を見直す。

附則

本基準は2026年9月7日から施行する。

※本基準は情報公開・品質管理のあり方に関する評価基準であり、個別製品の効果効能・安全性を保証するものではありません。

本基準は情報公開・品質管理のあり方に関する評価基準であり、個別製品の効果効能・安全性を保証するものではありません。事業者は本基準に基づき自己適合宣言を行うことができ、本協議会は申請に応じて確認を行います。基準の引用・活用に関するお問い合わせは こちら

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