一般社団法人 再生医療品質基準協議会 制定基準(原文)
一般社団法人再生医療品質基準協議会
制定:2026年9月7日 / 施行:同日
前文(制定の趣旨)
ベルベリンの資料には植物抽出物、精製した塩及び水和物があり、原料名だけでは含量の分母や用途区分を確定できない。また、抽出物の黄色や総アルカロイドの値はベルベリンの選択的な確認とは異なる。化学形態に即した分析と、供給用途を確認した資料の取扱いを整えるため、独立の基準を設ける。
第1条(目的)
ベルベリン本体と塩・水分の関係、共存アルカロイド及び用途別表示の整合を評価する。JRQ-Q-001の五項目を品質資料の上位原則として用い、本書の判定と供給先で必要な区分確認・手続を分けて管理する。
第2条(適用範囲)
対象
ベルベリンを分析対象とする抽出原料、精製塩、水和物及び用途区分を確認済みの製品の品質情報を対象とする。日本向けに食品用途を当然の前提とせず、[医薬品の範囲に関する基準](https://www.mhlw.go.jp/content/000658257.pdf)及び現行の関連通知で形態・由来・用途を確認する。区分が未確定の製品は適合宣言の対象から保留し、研究用途の資料に摂取案内を加えない。
第3条(用語の定義)
- 1. ベルベリン本体量:対イオン及び水和水を含めず、ベルベリンの陽イオン部分を基礎として表す量。
- 2. 塩組成:ベルベリンに対応する陰イオンの種類、割合及び水和状態の指定。
- 3. 共存アルカロイド:抽出源又は反応経路に応じ、ベルベリンから区別して管理する関連塩基性成分。
- 4. 用途照合記録:対象地域、原料形態、製品区分、参照通知及び確認結果をまとめた資料。
第4条(要求事項)
1 品質要求:選択的な識別
ベルベリン本体を標準物質との分離及びスペクトルの照合で確認すること。抽出品ではパルマチン等の共存候補を原料情報から選び、別ピークとして識別する。黄色、蛍光又は総アルカロイド試験だけで同定を終えず、採用法が当該由来の夾雑物に対応することを分離図で示す。
2 品質要求:塩組成と純度
対イオン、水分及び本体量をそれぞれ測り、塩の規格名と測定値の基礎を合わせること。乾燥時の水分補正と水和状態の指定を区別する。事業者が純度、塩組成及び関連成分の規格を定め、換算に用いる根拠を公開する。塩全体の質量を説明なく本体量に読み替えない。
3 製造管理:抽出源と分別
植物種、部位、抽出画分及び精製・塩形成の履歴を残し、原料の部位変更を同一の受入コードへ無審査で統合しないこと。合成経路では中間体と残留試薬を管理する。GMP等の製造管理認定を受けた施設を用い、認定主体、種類と区分を公開する。精製前後のロット及び用途別の払出しは製造台帳で追跡する。
4 検査:着色試料の妨害
第三者機関による最終製品のベルベリン分析及び重金属等の安全性関連検査を実施すること。色の強い抽出物では検出信号の重なり、希釈時の沈殿、ろ材への付着を検証する。機関名、対象及び結果照会先を公開し、成績書で塩基準か本体基準かを明示する。異常結果は再抽出の値と併せて保管し、都合のよい値だけを採用しない。
5 表示要求:区分別の量
原料名には塩組成と由来を対応させ、用途区分に沿った使用単位及び当該単位中の含量を示すこと。食品用途が確認された製品は一日摂取目安量とその含量を、他区分は当該区分に従う量を記載する。研究用は分析規格と包装量を示す。用途照合記録、換算書及び媒体表示を突合し、他地域の食品表示をそのまま移さない。
6 保存要求:水分と析出の管理
水分の出入り、光への曝露、溶液の析出及び包装への付着を対象形態ごとに評価すること。事業者が保存方法と期限を試験根拠付きで定める。水和状態の変化が換算量へ影響する場合は本体量も再計算し、外観の変化だけで合否を決めない。開封後の取扱条件を試料の保管記録と照合する。
7 摂取上の注意
経口用途が確認された製品では、その区分で求められる対象者及び併用の注意を審査し、治療中・投薬中の者は医師に相談する旨を設けること。研究用原料には摂取しない旨を明示する。精製塩と植物抽出物を任意に代用する案内を避け、注意文の根拠と審査した用途を記録する。
8 資料管理
用途照合記録、植物部位の証明、対イオン分析及び本体量計算を供給ロット別に束ねること。事業者が保管期間を定め、区分確認の根拠資料が改訂された場合は再照会の履歴を残す。用途未確認の原料と確認済み製品の資料を区分し、判定保留中の表示が外部で使われていないか点検する。
第5条(評価区分)
- 適合:上位の品質原則と用途確認が成立し、塩組成、選択的定量及び区分別表示が整合する。
- 一部適合:用途と化学形・実量は確定し、資料番号等の補完に限る期限が提示される。
- 不適合:用途未確認のまま宣言する、総アルカロイド量を転用する、又は塩と本体の量を混同する。
第6条(運用)
自己適合宣言には供給地域と用途を明記する。本協議会は申請の対象区分及び塩組成の証拠を確認する。由来部位、塩形成法又は供給用途の変更時に再審査し、定期見直しでは用途照合記録の更新状況を点検する。
附則
本基準は2026年9月7日から施行する。
※本基準は情報公開・品質管理のあり方に関する評価基準であり、個別製品の効果効能・安全性を保証するものではありません。