一般社団法人 再生医療品質基準協議会 制定基準(原文)
一般社団法人再生医療品質基準協議会
制定:2026年9月7日 / 施行:同日
前文(制定の趣旨)
クルクミンの取引名称には、単一化合物を指す場合と、近縁色素を含む原料群を指す場合がある。[公的なウコン抽出物規格資料](https://www.fao.org/fileadmin/user_upload/jecfa_additives/docs/Monograph1/Additive-484.pdf)でも複数のクルクミノイドが区別されている。色の濃さだけでは単独含量を説明できず、分散加工を施した製品では抽出操作も結果に関わるため、成分組成と検査対象を揃える基準を制定する。
第1条(目的)
本基準は細胞機能関連成分区分のクルクミンについて、JRQ-Q-001を基礎に、個別色素の定量、分散基材の扱い及び表示範囲の確認要件を定める。食品用色素の規格資料を参照する場合も、その総量概念を単一成分量と区別する。
第2条(適用範囲)
ウコン等からの精製原料、合成原料、クルクミノイド混合物並びに被覆、乳化又は分散した経口製品を対象とする。植物粉末を含む処方もクルクミンを指定する部分を評価する。水素添加体その他の化学修飾体は未修飾クルクミンに合算せず、別の物質規格を適用する。
第3条(用語の定義)
- 1. 単独クルクミン量:デメトキシ体等を除いたクルクミン自体の量。
- 2. クルクミノイド総量:あらかじめ列挙した複数の近縁色素を合算した量。
- 3. 色価:指定条件下の光学応答から得る着色の指標で、個別成分の質量とは区別する値。
- 4. 分散基材:クルクミンを被覆、乳化又は懸濁するための担体及び補助成分。
第4条(要求事項)
1 品質要求:個別色素の帰属
クルクミン、デメトキシクルクミン及びビスデメトキシクルクミンを識別できる分離法を設定すること。標準物質と構造情報で主ピークの帰属を確認し、純度の算定対象を単独物又は指定混合物として固定する。色価や外観で構造確認を代替せず、採用原料ごとのクロマトグラムを規格資料へ添える。
2 品質要求:基材を除く規格
抽出溶媒、原料植物由来の夾雑物、合成経路の残留試薬及び関連分解物を検討すること。分散基材添加前の純度と添加後の含量は別規格とする。事業者が由来別に管理対象と規格を定め、その根拠を提示する。ウコン抽出物の揮発性画分を含む場合は、目的色素との区別を供給者資料及び分析で確認する。
3 製造管理:着色残留と分散工程
粉砕、被覆、乳化及び乾燥について、設備への色素付着と次ロットへの持越しを点検すること。洗浄の判定は見た目だけで決めず、残留測定との関係を示す。GMP等の認定施設における管理記録と、認定主体、種類及び対象区分を提示する。精製ロットと分散加工ロットを製品まで連結し、工程収支で損失を確認する。
4 検査:分散体からの回収
第三者機関で最終製品の個別色素分析と、重金属等の安全性関連検査を実施すること。被覆を解除する操作、抽出溶媒及びろ過材を選び、基材ごとの回収試験を行う。総量を併記する場合は各色素の定量値と合算式を保存する。成績書に測定した形態を記載し、機関名、項目及び結果の照会経路を公開する。
5 表示要求:総量の内訳
一日摂取目安量と当該量中の単独クルクミン量を示し、クルクミノイド総量を記す場合は対象色素を明記すること。原料植物重量、分散製剤重量及び容器内総量は同じ量として扱わない。取引用の色価を利用者向けの質量欄へ転記せず、個別分析、配合計算及び版下を照合する。
6 保存要求:処方と液性
採用した液性、光条件及び包装で個別色素量の推移を調べ、沈殿又は容器付着が採取値へ影響しないか確認すること。事業者は試験根拠から保存条件と期限を決める。透明容器への変更や使用時の希釈を想定する場合は、その条件で評価し、原末の保存資料だけを分散品に適用しない。
7 摂取上の注意
混合、希釈又は振とうを要する製品は、実測確認した操作を目安量と併せて案内すること。濃縮原料の重量とウコン粉末重量を基に摂取量を置き換える表現を避ける。治療中・投薬中の者には医師への相談を促し、分散基材を含む全配合情報を確認できる表示として審査する。
8 資料管理
個別色素の帰属図、色価資料、基材別回収試験及び表示の合算式を別項目で整理すること。事業者が保存期間を設け、基材変更時には旧処方の抽出法との比較結果を残す。公開資料の総量名称を改訂した際は、該当する原料規格、ロット及び包装版を一括して追跡できるようにする。
第5条(評価区分)
- 適合:上位基準に適合し、単独色素と総量の境界、基材からの回収及び製品表示を確認できる。
- 一部適合:成分別定量と主要な管理事項は成立し、色価参考資料の索引等の不足に補完予定がある。
- 不適合:色価をそのまま単独含量とする、化学修飾体を含める、又は分散基材からの回収を未確認である。
第6条(運用)
自己適合宣言は対象とする色素の一覧を伴うものとする。本協議会は申請に基づき、分散工程と製品検査の対応を確認する。被覆材、乳化条件又は総量の定義を変えた際に再評価し、定期見直しでは表示上の名称と分析法の対象範囲を点検する。
附則
本基準は2026年9月7日から施行する。
※本基準は情報公開・品質管理のあり方に関する評価基準であり、個別製品の効果効能・安全性を保証するものではありません。