一般社団法人 再生医療品質基準協議会 制定基準(原文)
一般社団法人再生医療品質基準協議会
制定:2026年9月7日 / 施行:同日
前文(制定の趣旨)
ニコチンアミドとニコチン酸は名称が似ており、ナイアシンの総称で流通資料を作ると配合物の違いが見えにくい。複合原料では、他成分の分解で測定時に生じるニコチンアミドも検討する必要がある。本基準は、アミドとして受け入れた物質が製品中でどの量として確認されたかを明確にし、名称と分析結果の対応を保つために制定する。
第1条(目的)
本基準はJRQ-Q-001の品質・情報公開要件をニコチンアミドへ具体化し、ニコチン酸との分別、製造時の残留物及び個別成分量の説明可能性を評価する。
第2条(適用範囲)
ニコチンアミド結晶、粉末、希釈原料及びこれを指定成分とする錠剤、カプセル、顆粒、液状の経口製品を対象とする。ニコチン酸、ニコチンアミドを分子内に含むヌクレオチド及びリボシドは、それぞれの物質として扱い、本基準の単独含量へ算入しない。
第3条(用語の定義)
- 1. 指定アミド:ピリジン環の指定位置にカルボキサミド基を持つニコチンアミド。
- 2. 酸・アミド分別:ニコチン酸とニコチンアミドを別々に識別し測定すること。
- 3. 前処理生成分:製品中の別物質から試料調製中に生じたニコチンアミド。
- 4. 名称対応記録:一般名、別名、原料コード及び表示名称の一致を管理する記録。
第4条(要求事項)
1 品質要求:アミドの識別
指定アミドの構造を[公的化学データベースの物質情報](https://pubchem.ncbi.nlm.nih.gov/compound/3-pyridinecarboxamide)と照らし、標準物質を用いた試験で現品を確認すること。ニコチン酸及び位置の異なるピリジンカルボキサミドとの識別根拠を用意する。別名を採用した購買票も名称対応記録で結び、総ナイアシン試験だけを受入れ同定に用いない。
2 品質要求:製法に対応する純度
合成経路又は酵素処理の採用状況から、未反応原料、ニコチン酸、工程試薬及び触媒由来成分を管理候補として列挙すること。経路にない物質を機械的に検査対象にせず、事業者が純度と残留物の規格を定め根拠を提示する。供給者の工程説明とロット別分析を照合し、未同定ピークの判断も記録する。
3 製造管理:工程水と回収原料
反応終了、精製、結晶回収及び乾燥の判定点を置き、母液再利用の有無を記録すること。液性や保持時間の変更時には酸・アミド組成を比較する。製造はGMP等の認定施設で行い、その認定主体と種類、対象区分を明示する。回収原料の使用履歴を混合先まで辿れる台帳とし、原末から最終製品へのロット対応を確認する。
4 検査:総称による代替の排除
最終製品の指定アミド含量及び重金属等の工程に即した安全性関連項目について第三者検査を受けること。複合製品では他のニコチンアミド含有分子が抽出中に変化しないか、無添加基材と添加試料で確かめる。酸とアミドの分離、前処理生成分の検討、定量範囲を試験資料に記す。検査機関名、検体段階及び結果照会先を公開する。
5 表示要求:単独量の位置付け
一日摂取目安量当たりのニコチンアミド量を原料製剤の重量と区別し、目安量、容器内総量及び単位を明示すること。栄養成分としてナイアシン量を併記する場合は算入範囲を説明し、指定アミドの実測量と別欄に置く。栄養表示用の換算だけでは配合物の同一性を証明したことにせず、製品成績と版下を照合する。
6 保存要求:水系処方の確認
液状品と粉末品を分け、液性、熱履歴及び包装内の水分が酸・アミド比に与える影響を試験すること。事業者はその結果から期限、密栓条件及び開封後の取扱いを設定する。外観の変化がなくても組成を確認し、保存表示の根拠となる試料と市場包装との対応を示す。
7 摂取上の注意
ナイアシン等の総称で示す他製品との重複を確認できるよう、注意欄にも配合形態を示すこと。摂取目安量を任意に増やさない旨と、治療中・投薬中の者は医師に相談する旨を記載する。名称の類似を理由にニコチン酸製品へ置き換える案内を作らず、包装と案内文の整合を表示審査で確かめる。
8 資料管理
原料の別名から受入れコードを検索できる索引を維持し、ニコチン酸の資料と混在させないこと。酸・アミド分別の生データ、前処理生成分の検討及び栄養表示の算定過程を保存する。事業者が保管期間と改訂権限を定め、換算方法を変更したロット境界と公開資料の更新記録を提示できるようにする。
第5条(評価区分)
- 適合:上位基準への適合に加え、指定アミドの識別、酸との分別及び単独量から表示への対応が確認できる。
- 一部適合:成分の識別と表示根拠に問題はなく、別名索引の整備等に限って補完期限と担当部門が定められている。
- 不適合:総ナイアシン値だけをニコチンアミド量とする、又は前処理生成分を確認せず表示根拠に含める。
第6条(運用)
事業者は酸・アミド分別を含む点検結果を自己適合宣言に添える。本協議会の確認では別名で調達した原料も追跡対象とする。反応経路又は複合処方を変更した場合に再評価し、定期点検で名称取り違え及び表示換算の照会履歴を見直す。
附則
本基準は2026年9月7日から施行する。
※本基準は情報公開・品質管理のあり方に関する評価基準であり、個別製品の効果効能・安全性を保証するものではありません。