一般社団法人 再生医療品質基準協議会 制定基準(原文)
一般社団法人再生医療品質基準協議会
制定:2026年9月5日 / 施行:同日
前文(制定の趣旨)
タウリンはアミノスルホン酸であり、一般的なアミノ酸とは官能基が異なる。化学合成、発酵、又は水産物等からの抽出では、出発原料、近縁スルホン酸、無機塩及び共抽出成分の管理対象が異なるほか、国・地域及び製品区分によって原料由来の取扱いを確認すべき場合がある。総アミノ酸、総窒素又は総硫黄では目的物を確定できないため、本協議会は、由来の真正性と選択的定量を表示及び流通資料へ接続する基準を制定する。
第1条(目的)
本基準は、タウリンを含む原料、中間品及び最終製品について、分子同一性、由来、近縁物質、無機成分、製造・流通管理、第三者検査、含量並びに保存・注意表示の確認要件を定める。
第2条(適用範囲)
本基準は、化学合成、発酵、生物資源からの抽出その他の方法で得たタウリン原末、結晶、溶液、抽出物、担体調製物及びこれらを用いた製品に適用する。抱合型化合物、別のアミノスルホン酸又は原料素材重量を遊離タウリン量に含めない。
第3条(用語の定義)
- 1. アミノスルホン酸:アミノ基及びスルホン酸基を持つ化合物群をいう。
- 2. 遊離タウリン:他の分子と抱合していないタウリンをいう。
- 3. 由来証拠:出発原料、製法及び加工履歴を裏付ける記録をいう。
- 4. 近縁スルホン酸:製造又は分解に伴い存在し得る構造類似物をいう。
- 5. 無機成分収支:塩類、硫酸塩等の工程由来無機成分の把握をいう。
第4条(要求事項)
1 分子同一性の立証
事業者は、化学名、構造式、遊離又は抱合の別及び供給形態を規格書に明記すること。近縁スルホン酸及び一般アミノ酸から識別可能な分離分析に、質量又は分光学的情報を組み合わせる。総窒素、総硫黄、総アミノ酸又は非選択的な滴定だけを同一性の根拠としない。
2 由来と適用区分の確認
合成品では出発物質と反応経路、発酵品では培地、培養及び精製、生物抽出品では生物種、使用部位、採取又は調達及び抽出履歴を追跡可能にすること。販売先の法令、公的通知及び製品区分に照らして採用可能な由来と必要表示を確認し、その確認日、参照資料及び判定記録を保持する。
3 近縁物質と工程残留物
タウリン純度とは別に、近縁スルホン酸、未反応物、副生成物、分解物及び無機成分を検討すること。抽出品では共抽出アミノ酸や塩類、発酵品では培地・菌体残留物、合成品では試薬、溶媒及び精製残留物を対象候補とする。事業者が規格値と試験頻度を定め、製法及びロット実績による根拠を提示する。
4 製造管理及びロット連結
原料受入れ、反応若しくは培養、抽出、脱塩、精製、結晶化、乾燥、混合及び充填について、目的物回収と無機成分収支に関わる管理点を設定すること。出発原料から工程内試験、原料出荷判定、配合記録及び最終製品ロットまでを連結する。由来又は製造経路の変更は事前に品質項目と適用区分への影響を審査する。
5 選択的定量と第三者検査
分析法はタウリンを近縁物質と製剤基材から分け、抽出回収及び測定選択性を確認したものとすること。誘導体化を採用する場合は反応条件と共存アミンの干渉を評価する。第三者機関による同一性、含量又は安全性関連検査の機関名、検体段階及び項目を確認可能にし、成績書に由来、ロット、方法版、結果、単位、規格及び判定を記す。
6 保存と取扱い
温度、水分、液性、共存成分及び包装材が、タウリン実量、関連物質、吸湿又は溶液の状態へ及ぼす影響を評価すること。粉末、溶液及び配合製品の相違、製造中の保持並びに開封後を採用容器で確認する。事業者は資料に基づき期限と保存条件を設定し、その判断根拠を提示する。
7 含量、由来及び注意表示
一日摂取目安量当たりの遊離タウリン量を、原料又は抽出物の総重量と区別して表示すること。原料力価、秤量記録、製造収支及び最終製品試験を照合する。由来を表示する場合は由来証拠と一致させ、対象者、取扱い及び保存に関する注意は適用法令と品質資料を確認して定める。
第5条(評価区分)
- 適合:分子、遊離形態及び由来が特定され、近縁物質、適用区分、工程、第三者検査、含量及び表示がロットで確認できる。
- 一部適合:同一性と含量は確認できるが、由来変更時の区分確認又は無機成分収支に不足があり、是正計画が記録されている。
- 不適合:総硫黄等で同一性を代替する、由来を追跡できない、又は抽出原料重量を遊離タウリン量として表示する。
第6条(運用)
事業者は、構造確認資料、由来証拠、製法別規格、ロット記録、第三者検査成績書、適用区分の確認記録及び表示照合表により自己適合宣言を行うことができる。本協議会は申請に基づき公開情報と証拠資料を確認する。由来、製法、供給形態、試験法、販売区分又は包装が変わる場合は再評価する。
附則
本基準は2026年9月5日から施行する。
※本基準は情報公開・品質管理のあり方に関する評価基準であり、個別製品の効果効能・安全性を保証するものではありません。