一般社団法人 再生医療品質基準協議会 制定基準(原文)
一般社団法人再生医療品質基準協議会
制定:2026年9月3日 / 施行:同日
前文(制定の趣旨)
レスベラトロールは、トランス体とシス体を区別すべきスチルベン化合物であり、光曝露による異性化、酸化及び原料植物から共抽出される類縁物質を管理する必要がある。植物抽出物の重量、総ポリフェノール量又は配糖体を含む総量は、遊離レスベラトロールの実量と同じではない。由来、化学形態及び保存履歴が表示から読み取れない情報差を解消するため、本協議会は本基準を制定する。
第1条(目的)
本基準は、レスベラトロールを管理対象とする原料、中間品及び最終製品について、幾何異性体、遊離体・配糖体、植物由来又は合成由来の不純物、光安定性、第三者検査、実量換算及び表示の確認要件を定める。
第2条(適用範囲)
本基準は、植物抽出、発酵、化学合成その他の方法で得られるレスベラトロール原末、抽出物、溶液、担体調製物及びこれらを用いる最終製品に適用する。レスベラトロール配糖体、他のスチルベン又は総ポリフェノールを、遊離レスベラトロールとして無条件に合算しない。
第3条(用語の定義)
- 1. トランス体:二重結合を挟む置換基の配置を特定したレスベラトロールをいう。
- 2. シス体:トランス体とは異なる幾何配置を持つ異性体をいう。
- 3. 配糖体:レスベラトロール骨格に糖が結合した関連化合物をいう。
- 4. 光異性化:光曝露によりトランス体とシス体の構成が変化することをいう。
- 5. レスベラトロール実量:担体、抽出固形分、配糖体及び類縁物質を区別して目的形態として求めた量をいう。
第4条(要求事項)
1 構造及び幾何異性体の確認
事業者は、化学名、構造式、トランス体若しくはシス体の指定及び供給形態を規格書に記載すること。異性体を分離できるクロマトグラフィーと質量又は分光学的情報を組み合わせ、総ポリフェノール反応だけで同一性を判断しない。参照標準品の異性体、値付け、遮光保管及び使用履歴を管理し、測定操作中の光異性化を防ぐ。
2 純度、配糖体及び類縁物質
指定異性体の純度と、反対側異性体、配糖体、他のスチルベン、酸化・重合関連物質、未反応原料及び未同定ピークを区分すること。植物抽出では共抽出ポリフェノール、合成では触媒・反応試薬及び溶媒、発酵では培地・菌体由来成分を検討する。事業者が規格値、試験頻度及び結果の扱いを定め、製法とロット推移に基づく根拠を提示する。
3 由来及び換算基礎
植物由来では種、使用部位、抽出及び精製の履歴を、合成又は発酵由来では製造経路を追跡可能にすること。抽出物、配糖体含有物又は担体調製物では、それぞれの組成、水分及び目的成分力価を特定する。加水分解後の総アグリコン値を遊離体の実測値と混同せず、レスベラトロール実量への換算式と採用理由を承認する。
4 工程管理とロット追跡
原料受入れ、抽出若しくは反応、精製、濃縮、乾燥、混合、充填及び包装のうち、光異性化、酸化又は配糖体構成へ影響する工程を特定すること。遮光下の工程記録、工程内試験、出荷試験及び最終製品ロットを接続する。原料部位、供給者、製法又は精製条件の変更時には異性体比と類縁物質プロファイルを比較する。
5 分析法、第三者検査及び成績書
採取から測定までの照明、容器、温度及び待ち時間を方法書で管理し、トランス体とシス体を分離して製剤基材からの回収を検証すること。第三者機関による異性体別含量又は安全性関連検査について、機関名、対象項目、検体形態及びロットを明らかにする。成績書には由来、遊離体・配糖体の別、方法版、結果、単位、規格及び判定を記載する。
6 光安定性及び保存
光の種類と曝露、酸素、温度、水分、液性及び共存成分が、異性体組成、レスベラトロール実量及び酸化関連物質へ及ぼす影響を評価すること。透明容器を含む包装候補、製造中の一時保管及び開封後を実際の条件で比較する。保存期限、遮光方法及び開封後の取扱いは事業者が測定結果に基づき定め、その根拠を提示する。
7 含量・形態・注意表示
表示する名称と量が、トランス体、シス体、遊離体、配糖体又は抽出物のいずれを指すか明瞭にすること。一日摂取目安量当たりのレスベラトロール実量を、原料力価、秤量記録、換算表及び最終製品の異性体別試験から照合する。総ポリフェノール量を目的成分量に置き換えず、遮光及び開封後の注意表示を安定性資料と一致させる。
第5条(評価区分)
- 適合:指定異性体、化学形態及び由来が特定され、類縁物質、工程遮光、第三者検査、実量、保存並びに表示がロット単位で整合している。
- 一部適合:異性体別の同一性と実量は確認できるが、工程内曝露又は開封後の資料に不足があり、影響評価と是正計画が記録されている。
- 不適合:総ポリフェノール量だけで目的物を判定する、異性体を区別しない、又は抽出物重量をレスベラトロール実量として表示する。
第6条(運用)
事業者は、異性体別規格、由来資料、工程遮光記録、第三者検査成績書、安定性資料及び表示照合表により自己適合宣言を行うことができる。本協議会は申請に基づき、選定ロットの由来から表示された化学形態までを確認する。由来、形態、製法、分析法、処方又は包装を変更した場合は再評価する。
附則
本基準は2026年9月3日から施行する。
※本基準は情報公開・品質管理のあり方に関する評価基準であり、個別製品の効果効能・安全性を保証するものではありません。