ホーム品質基準 / JRQ-Q-013

エルゴチオネイン品質基準JRQ-Q-013 制定:2026年9月3日

一般社団法人 再生医療品質基準協議会 制定基準(原文)

一般社団法人再生医療品質基準協議会

制定:2026年9月3日 / 施行:同日

前文(制定の趣旨)

エルゴチオネインは、ヒスチジン由来の環構造、硫黄部位及び立体配置を特定すべき含硫化合物である。発酵、抽出又は合成という由来の違いにより、類縁アミノ酸、培地・菌体成分、抽出物又は反応残留物の構成が異なり、総硫黄量や非特異的な呈色では目的物を確定できない。さらに、塩、溶液及び担体を含む原料では、表示量の換算基礎が見えにくい。本協議会は、分子同一性から由来別不純物、実量及び保存までを検証可能にするため、本基準を制定する。

第1条(目的)

本基準は、エルゴチオネインを含む原料、中間品及び最終製品について、構造、立体配置、由来別関連物質、供給形態、製造管理、第三者検査、安定性並びに表示の整合を評価する要件を定める。

第2条(適用範囲)

本基準は、発酵、天然物からの抽出、化学的若しくは酵素的な合成で得られるエルゴチオネイン、その塩、溶液及び担体を含む調製原料並びにこれらを配合した最終製品に適用する。システイン、グルタチオンその他の含硫成分をエルゴチオネインとして合算しない。

第3条(用語の定義)

  • 1. L-エルゴチオネイン:目的とする立体配置を持つエルゴチオネインをいう。
  • 2. 類縁含硫物質:出発物質、副生成物又は分解物として存在し得る硫黄含有化合物をいう。
  • 3. 由来マーカー:発酵、抽出又は合成の工程に応じて管理対象となる残留物若しくは随伴成分をいう。
  • 4. 実量換算:水分、対イオン、溶媒及び担体の寄与を除き、指定したエルゴチオネインとして量を求めることをいう。
  • 5. マトリクス干渉:培地、抽出物又は製剤基材が識別若しくは定量へ及ぼす影響をいう。

第4条(要求事項)

1 分子及び立体配置の同定

事業者は、化学名、環構造、硫黄部位、L体の指定及び塩の有無を規格書に定めること。同一性確認は分離分析と質量若しくは分光学的情報を組み合わせ、総硫黄、総アミノ酸又は単一の呈色反応のみに依存しない。立体配置を示す場合は、標準物質と対応付けたキラル識別又は妥当性を示した手法で確認する。

2 純度と由来別不純物

エルゴチオネイン純度に加え、反対側立体異性体、前駆体、類縁含硫物質及び未同定成分を評価すること。発酵品では培地・菌体及び精製残留物、抽出品では原料生物に由来する共抽出成分、合成品では試薬、触媒及び残留溶媒を検討する。事業者が規格値と監視頻度を定め、採用製法及びロット実績に基づく根拠を提示する。

3 由来、塩及び調製形態

原料の生物由来、使用部位又は製造方式を追跡可能な仕様として管理し、異なる由来を同一資料で代替しないこと。塩又は溶液では対イオン、液性、濃度及び水分を、担体調製物では担体組成と均質性を確認する。原料総重量からエルゴチオネイン実量へ至る換算式を承認し、由来又は供給形態の変更時には不純物プロファイルと分析回収を比較する。

4 製造管理とロット連結

培養若しくは原料受入れ、抽出、反応、精製、脱塩、濃縮、乾燥及び包装のうち、立体配置、含硫関連物質又は水分へ影響する工程を管理すること。原材料ロット、工程内判定、出荷試験及び製品ロットを相互に追跡できる記録を残す。培養条件、原料生物又は精製方式の変更は、承認前に品質項目への影響を審査する。

5 第三者検査及び成績書

目的物を類縁含硫物質から分離できる定量法を用い、培地、抽出物、担体及び共存成分からの回収並びにマトリクス干渉を検証すること。第三者機関による同一性、含量又は安全性関連検査について、機関名、検体段階及び対象項目を明確にする。成績書には由来、形態、ロット、方法版、標準物質、結果、単位、規格及び判定を記す。

6 安定性と保存条件

光、温度、酸素、水分、液性、金属接触及び共存成分が、エルゴチオネイン実量並びに類縁含硫物質へ与える影響を評価すること。液状工程の保持、乾燥品の吸湿及び開封後の反復曝露を、採用する容器で調べる。期限、保存方法及び開封後の取扱いは、事業者が実測資料に基づいて定め、根拠を提示する。

7 含量及び表示の照合

表示名称はL体、塩又は調製物としての実際の仕様を誤認させないものとすること。一日摂取目安量当たりのエルゴチオネイン量を、原料力価、秤量記録、実量換算及び最終製品の検査結果から照合する。発酵由来又は抽出由来を示す場合は追跡資料と一致させ、保存及び注意表示は安定性試験で確認した条件を反映する。

第5条(評価区分)

  • 適合:目的構造、立体配置及び由来が特定され、由来別不純物、製造記録、第三者検査、実量並びに保存表示がロットでつながっている。
  • 一部適合:同一性と実量は確認できるが、由来変更比較又は開封後資料の一部が不足し、影響評価と是正計画がある。
  • 不適合:総硫黄量だけで目的物を判定する、異なる由来の不純物管理を混同する、又は調製原料重量をエルゴチオネイン量として扱う。

第6条(運用)

事業者は、構造確認資料、由来別規格、製造・追跡記録、第三者検査成績書、安定性資料及び表示照合表により自己適合宣言を行うことができる。本協議会は申請に基づき、原料由来から最終表示までの証拠を確認する。由来、製法、塩、担体、試験法又は包装を変更した場合は適合性を再評価する。

附則

本基準は2026年9月3日から施行する。

※本基準は情報公開・品質管理のあり方に関する評価基準であり、個別製品の効果効能・安全性を保証するものではありません。

本基準は情報公開・品質管理のあり方に関する評価基準であり、個別製品の効果効能・安全性を保証するものではありません。事業者は本基準に基づき自己適合宣言を行うことができ、本協議会は申請に応じて確認を行います。基準の引用・活用に関するお問い合わせは こちら

← 品質基準一覧に戻る