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交叉汚染防止基準JRQ-P-037 制定:2026年9月11日

一般社団法人 再生医療品質基準協議会 制定基準(原文)

一般社団法人再生医療品質基準協議会

制定:2026年9月11日 / 施行:同日

前文(制定の趣旨)

同じ区域で由来の異なる細胞や複数の原料を扱う場合、容器の識別が正しくても、共用物品、飛散又は移動を介して別の対象へ物質が持ち込まれることがある。個々の作業の清浄確認だけでは、前後の作業や隣接区域とのつながりを説明できない。本基準は、汚染源から受入側に至る経路を可視化し、隔離と切替えの成立を工程間で確認するため制定する。

第1条(目的)

異なる加工対象間の意図しない移行について、経路の把握、共用条件、作業切替え及び影響範囲の判定を定める。対象ごとの履歴を保ちつつ、区域をまたぐ持込みの遮断を証拠で説明できることを目的とする。

第2条(適用範囲)

細胞、原料、工程内物及び検体を取り扱う区域と、共用する装置、搬送具、保管場所及び補助設備に適用する。異なる由来、品目又はロットの並行処理と連続処理を含む。洗浄手順の実施は洗浄・消毒基準と接続し、本基準では処理対象間の移行経路と共用可否を扱う。

第3条(用語の定義)

  • 1. 交叉汚染:ある加工対象に由来する細胞、微生物又は物質が、意図せず別の対象へ混入すること。
  • 2. 移行経路:汚染源と受入側を結ぶ接触、飛散、液体又は人・物の移動の連なり。
  • 3. 共用組合せ:同じ区域又は器具の利用を予定する加工対象の組合せ。
  • 4. 切替え解除:前作業の影響を確認し、共用箇所を次の対象に使用する許可。
  • 5. 曝露窓:混入の可能性が生じてから経路を遮断するまでの時間及び作業範囲。

第4条(要求事項)

1 経路図と区域間の責任

工程管理部門は由来別の取扱場所、開放操作、共用接触面及び搬出入経路を図示すること。区域境界ごとに受渡し確認を担う職務を割り当て、品質部門が経路図を審査する。実際の作業を追って図と照合し、台車の把手や一時置場など、工程図に現れにくい接点も登録する。

2 共用の許容範囲

共用組合せごとに由来情報、封じ込め状態、残留の把握可能性及び後続対象への影響を評価すること。事業者が共用判定の規格を定め根拠を提示する。評価票で専用化、時間分離又は物理的分離を選択し、根拠不足の組合せは共用対象から外す。試験陰性のみで未知の移行経路を否定しない。

3 同時作業と飛散の遮断

並行処理では開放容器の位置、飛沫を生じる操作、排気の接続及び扉の開閉を考慮して配置を承認すること。配置図と作業時の観察記録により、片方の操作が他方の開放部へ及ばないか確かめる。閉鎖系を採用する場合も、採取口の開放や接続交換を別の曝露点として評価する。

4 物品と人の境界通過

器具、筆記具、端末、作業衣及び搬送容器について、区域専用と共用を識別すること。境界を通過する順序、外装の扱い、交換又は表面処理の実施場所を定める。通過記録と現場の置場を確認し、清浄側へ戻る物品や退域後に再入域する者の経路が省略されていないか点検する。

5 前作業からの切替え解除

次作業の開始前に、前対象の容器、残液、器具及び一時保管物の撤去を作業箇所別に照合すること。共用配管や補助容器の残留確認は経路評価に応じて選び、必要な採取位置と判定根拠を残す。解除権限を持つ職務が前後の対象識別と確認結果を結び付け、未解除の設備を次作業へ渡さない。

6 検出方法の適用限界

移行確認に用いる指標は、想定する細胞又は物質を区別できるか、表面から回収できるかを検討すること。事業者が検査方法と判定規格を定め、根拠を提示する。方法の確認資料と採取記録を突き合わせ、検出できない物質や採取できない部位は、分離措置で補う範囲を明示する。

7 疑い発生時の対象追跡

混入の疑いがあれば関係する共用作業を止め、曝露窓内の対象を保留すること。利用時刻、容器開放及び物品移動の履歴から前後の対象を抽出する。品質部門は調査結果と未確認経路を踏まえて対象の取扱いを判定し、原因に応じた経路の遮断を是正後の作業観察で確認して再開を承認する。

8 経路資料の更新と保持

新たな由来の導入、共用先の追加及び動線変更では、経路図と共用組合せを改訂すること。事業者が資料の保存期間を定め、各ロットから当時の経路図、解除記録及び調査案件へ到達できる索引を保つ。現行配置との定期照合により、臨時運用が図面外で常態化していないか確認する。

第5条(評価区分)

  • 適合:共用する対象間の経路が把握され、分離措置、切替え解除及び曝露窓の追跡が成立している。
  • 一部適合:移行経路の遮断と対象追跡は確認でき、図面注記等の補足に担当職務と完了期限がある。
  • 不適合:共用の根拠がない、未解除で次作業を開始する、又は混入の疑いに対して関連対象を特定できない。

第6条(運用)

自己適合宣言には共用組合せと分離方式を記載する。本協議会は汚染源と受入側の組を選び、境界通過及び切替えの証拠を確認する。見直しでは経路図にない接触、臨時の共用及び検出方法の限界を取り上げ、評価範囲を更新する。

附則

本基準は2026年9月11日から施行する。

※本基準は情報公開・品質管理のあり方に関する評価基準であり、個別製品の効果効能・安全性を保証するものではありません。

本基準は情報公開・品質管理のあり方に関する評価基準であり、個別製品の効果効能・安全性を保証するものではありません。事業者は本基準に基づき自己適合宣言を行うことができ、本協議会は申請に応じて確認を行います。基準の引用・活用に関するお問い合わせは こちら

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