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トレーサビリティ基準JRQ-P-029 制定:2026年9月10日

一般社団法人 再生医療品質基準協議会 制定基準(原文)

一般社団法人再生医療品質基準協議会

制定:2026年9月10日 / 施行:同日

前文(制定の趣旨)

細胞加工では、採取物、原料、培地、資材、中間物及び最終物が、分割、混合、継代、再包装又は移送を経て関係する。一つの識別番号を記録するだけでは、どの投入物がどの工程を通り、どの出力へ分かれたかを説明できない。取り違えや品質情報の通知時には、影響範囲を双方向に絞り込む必要がある。本基準は、物品と工程の系譜を切れ目なく再構成するため制定する。

第1条(目的)

受入れから使用、加工、保管、移送、判定及び引渡しまで、対象物の識別と数量の変化を記録する要件を定める。起点から下流の行先へ、又は出力から使用した投入物と作業履歴へ追跡できることを評価する。

第2条(適用範囲)

細胞又は組織の採取物、工程投入原料、培養関連資材、一次容器、中間物、試験検体、保存試料、最終物及び廃棄対象に適用する。施設内の移動、拠点間輸送、委託工程、分注、プール、継代及び再識別を含む。個人情報は必要な対応表を分離し、権限を限定して扱う。

第3条(用語の定義)

  • 1. 系譜:投入物、工程、生成物及び行先の親子関係を時系列で表したもの。
  • 2. 親識別子:分割又は加工前の対象を示し、生成した子識別子の起点となる番号。
  • 3. 数量収支:受入量、使用量、生成量、保留量、試験使用量及び廃棄量の対応。
  • 4. 追跡事象:受入れ、分割、混合、移送、状態変更その他、系譜を変化させる操作。
  • 5. 追跡演習:指定した起点又は出力から、影響対象と根拠記録を模擬的に探索する確認。

第4条(要求事項)

1 識別体系と発番統制

事業者は対象区分ごとに固有識別子の形式、発番者、発番時点及び再利用禁止を定めること。人由来情報を直接の作業識別子にしない。発番台帳と現物ラベルを照合し、重複、欠番及び手書き仮番号を確認する。仮識別を許す場合は正式番号への対応と失効を記録する。

2 受入起点の確立

受入時に供給元識別、供給元ロット、施設内識別、数量、容器、受入日時、状態及び添付文書を対応付けること。採取物では採取情報との連結を、個人情報から分離した管理番号で確保する。受入記録、ラベル及び在庫登録を突き合わせ、不明な由来の物品を工程へ投入しない。

3 分割、混合及び継代の系譜

分割では親識別子と全ての子識別子、分割量及び行先を記録すること。複数の投入物を混合する場合は全親ロットと混合後識別子を結び付け、混合の可否を事前に定める。継代、濃縮、洗浄又は再包装についても、工程記録から前後の容器関係をたどり、別系譜との交差がないことを確認する。

4 状態、場所及び保管位置

対象物の受付、隔離、使用可、保留、不適合、試験中、廃棄待ち等の状態と、実際の保管位置を識別子に関連付けること。移動日時、移動元、移動先及び受渡しを記録する。在庫一覧と棚・保管装置内の現物を照合し、システム上の場所だけを根拠に所在を確定しない。

5 工程投入と使用資材

各作業記録に、処理対象、使用した原料・資材ロット、設備、作業時点及び生成物を記載すること。事業者がどの資材まで追跡対象とするかを品質リスクに基づき定め、根拠を提示する。払出記録、作業記録及び残量から投入関係を照合し、準備したが未使用の物品を使用済みと混同しない。

6 数量収支と例外

追跡事象ごとに数量単位を定め、受入れから使用、保管、試験及び廃棄までの収支を確認すること。測定不能な付着、工程損失又は単位換算がある場合は、事業者が許容の考え方を定めて根拠を記録する。不一致は修正値で消さず、影響する識別子を保留して調査する。

7 委託先及び外部移送との接続

外部へ管理を移す時点では、発送側識別子、相手側識別子、容器、数量、封緘及び受渡時刻の対応を記録すること。委託先が分割又は番号変更を行う場合の対応表を合意する。送り状、受領報告及び返却記録を照合し、外部区間を単一の「委託中」とだけ記録しない。

8 追跡演習と差異是正

起点指定の前方追跡と、最終物指定の後方追跡を計画的に行うこと。対象一覧、検索開始・終了、判明した行先、数量差及び参照記録を残す。発見した系譜切れ、対応表不足又は遅延は原因を分析し、発番、入力又は受渡し手順を是正する。実際の通知案件でも到達確認まで追跡する。

第5条(評価区分)

  • 適合:投入物と全出力の親子関係、状態、所在及び数量を双方向に再構成でき、外部区間も連結されている。
  • 一部適合:主要な系譜は成立し、補助資材又は過去の移動情報の不足に影響評価と補完措置がある。
  • 不適合:識別子が重複する、混合元を特定できない、又は問題ロットの行先を説明できない。

第6条(運用)

自己適合宣言では追跡対象、識別体系、管理拠点及び委託境界を明示する。本協議会は指定した受入ロットと最終物を用いて双方向の追跡結果を確認する。工程分岐、拠点又はシステムの追加及び追跡演習の差異を踏まえ、系譜項目と照合方法を見直す。

附則

本基準は2026年9月10日から施行する。

※本基準は情報公開・品質管理のあり方に関する評価基準であり、個別製品の効果効能・安全性を保証するものではありません。

本基準は情報公開・品質管理のあり方に関する評価基準であり、個別製品の効果効能・安全性を保証するものではありません。事業者は本基準に基づき自己適合宣言を行うことができ、本協議会は申請に応じて確認を行います。基準の引用・活用に関するお問い合わせは こちら

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