ホーム品質基準 / JRQ-P-020

設備適格性基準JRQ-P-020 制定:2026年9月9日

一般社団法人 再生医療品質基準協議会 制定基準(原文)

一般社団法人再生医療品質基準協議会

制定:2026年9月9日 / 施行:同日

前文(制定の趣旨)

設備の仕様書や納入時の試運転記録があっても、実際の設置環境、接続系統及び負荷条件で目的の作業に使用できるとは限らない。設定範囲の端や警報時の挙動が未確認のまま運用へ移ると、使用後の点検では導入時の不足を見分けにくい。本基準は、使用者が必要とする条件と据付け、運転及び実使用の確認を結び付けるため制定する。

第1条(目的)

品質に関わる設備の使用開始及び変更後の再使用について、要求仕様を満たす証拠と承認手順を定める。確認済みの構成及び使用範囲を特定し、未評価の設備状態が工程へ持ち込まれないことを評価する。

第2条(適用範囲)

細胞加工、試験、洗浄、保管等に用いる設備と、その作動を支える空調、用水、ガス及び制御系に適用する。新設、移設、改修及び再稼働を含む。個々の計測器の校正はJRQ-P-021へ接続し、校正結果だけで設備全体の使用可否を決めない。

第3条(用語の定義)

  • 1. 使用者要求仕様:設備の用途、処理対象、運転条件及び必要機能を使用側が定めた文書。
  • 2. 据付時適格性確認:設置構成、部品及び接続が承認仕様と一致するか確かめる活動。
  • 3. 運転時適格性確認:設定範囲、制御、警報及び停止動作を計画に沿って確かめる活動。
  • 4. 性能適格性確認:実使用を代表する負荷と操作で、定めた要求を満たすか調べる活動。
  • 5. 再適格性確認:変更や状態変化を受け、必要範囲の適格性を改めて確認する活動。

第4条(要求事項)

1 要求仕様と管理責任

設備使用部門は用途、接触材質、清掃性、処理量及び必要な制御機能を要求仕様へ記すこと。設備部門が技術確認、品質部門が使用承認を担う。要求項目と確認手段の対応表を作成し、仕様書、設計図及び工程条件を照合して、供給側の標準仕様にない必要事項も特定する。

2 計画書と受入条件

実施前に確認段階、試験順序、使用する計測器、合否条件及び中断時の扱いを計画書に定めること。事業者が設備用途に応じた規格値を定め、その根拠を提示する。品質部門は要求仕様との対応を審査し、納入先で行った試験を採用する場合も対象構成と現地条件の差を評価する。

3 据付け構成の照合

設備識別、構成部品、接液部、電源、供給配管、排出経路及び制御ソフトウェアの版を現物で確認すること。図面との差、仮設接続及び未完工箇所を一覧化する。据付記録には使用した図面版と照合箇所を残し、後日の部品交換や接続変更を元の確認構成へ辿れるようにする。

4 運転範囲と異常動作

通常設定だけでなく、使用を予定する範囲の境界、起動停止及び警報後の挙動を試験すること。誤操作の抑止、停電・供給断からの復帰及び設定保持も用途に応じて取り上げる。操作ログと独立した観測記録を比較し、表示上の正常と実際の制御動作が一致するか判定する。

5 実使用を代表する性能確認

使用する容器配置、負荷、作業介入及び周辺条件を踏まえ、確認条件の代表性を説明すること。空運転だけでは説明できない条件を計画へ含める。負荷図、分布測定及び工程記録をまとめ、採用する運転範囲を結果から特定する。未確認の別配置へ適用する際は追加評価を行う。

6 不一致と使用開始判定

試験中の不一致は原因、再試験の必要性及び他の確認項目への影響を調査すること。都合のよい再試験だけを報告書へ残さない。品質部門は当初結果、是正記録及び再確認を審査し、要求を満たす範囲を使用許可書へ明記する。重要な未解決事項がある設備は使用対象から除外する。

7 運用への引継ぎ

承認した運転条件を操作手順、保守計画、清掃手順及び教育内容へ展開すること。確認時に用いた特別な操作が日常運用でも必要なら、その条件を明示する。引継票と現場の設定、設備状態表示を照合し、適格性確認済みの範囲を超える設定変更を通常操作で行えない管理を備える。

8 状態維持と再確認

移設、重要部品交換、制御変更、長期停止及び反復故障を再適格性確認の検討契機とすること。事業者は定期的な状態レビューの時期と判断規格を定める。保守履歴と使用実績から再確認範囲を承認し、旧報告を新構成の根拠として流用しない。計画、原記録及び構成履歴の保存期間も定める。

第5条(評価区分)

  • 適合:要求仕様から各確認段階へ根拠が連なり、現行構成と使用許可範囲が一致している。
  • 一部適合:必要な運転・性能確認と使用承認は成立し、付属資料の索引等に補完対象と期限がある。
  • 不適合:重要機能が未確認、試験不一致を未処理で使用、又は変更後の構成を旧報告だけで承認する。

第6条(運用)

自己適合宣言は設備識別と確認済みの用途を単位とする。本協議会は申請対象の要求項目を選び、実測記録、承認範囲及び現場設定までの対応を確認する。故障傾向や処理対象の変更を見直しに取り込み、確認計画と日常点検の分担を更新する。

附則

本基準は2026年9月9日から施行する。

※本基準は情報公開・品質管理のあり方に関する評価基準であり、個別製品の効果効能・安全性を保証するものではありません。

本基準は情報公開・品質管理のあり方に関する評価基準であり、個別製品の効果効能・安全性を保証するものではありません。事業者は本基準に基づき自己適合宣言を行うことができ、本協議会は申請に応じて確認を行います。基準の引用・活用に関するお問い合わせは こちら

← 品質基準一覧に戻る