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データ完全性基準JRQ-P-017 制定:2026年9月3日

一般社団法人 再生医療品質基準協議会 制定基準(原文)

一般社団法人再生医療品質基準協議会

制定:2026年9月3日 / 施行:同日

前文(制定の趣旨)

再生医療・細胞加工の品質判断は、培養観察、環境測定、画像、試験結果、設備状態及び作業記録など、形式の異なるデータの組合せに依存する。転記や再計算を重ねた要約値だけでは、誰が、いつ、何を観察し、どの原データから判定したかを確認できない。紙、装置内ファイル、クラウド及び外部試験機関の記録が分散する場合には、欠落、版の混同、後書き又は選択的な採用を防ぐ統一した統制が必要である。本協議会は、データのライフサイクル全体で帰属性、判読性、同時性、原本性、正確性及び一貫性を保つため、本基準を制定する。

第1条(目的)

本基準は、品質に用いるデータについて、生成、取得、処理、照査、報告、保存及び廃棄に至る管理責任と確認方法を定め、判断の根拠を再構成可能にすることを目的とする。

第2条(適用範囲)

製造、培養、環境監視、設備、試験、保管、搬送、逸脱、教育及びロット判定で生成又は利用する紙・電子・画像・音声その他のデータ並びにメタデータに適用する。委託先から受領するデータ、手入力及び表計算による処理も含む。

第3条(用語の定義)

  • 1. 「データ完全性」とは、データがライフサイクルを通じて完全で、一貫し、正確であり、その帰属と生成時点を確認できる状態をいう。
  • 2. 「メタデータ」とは、作成者、日時、装置条件、単位、版、処理履歴など、データの意味と背景を示す情報をいう。
  • 3. 「動的記録」とは、検索、再処理又は表示条件の変更が可能で、固定画像だけでは内容を十分に検証できない記録をいう。
  • 4. 「データライフサイクル」とは、データの計画、生成、処理、利用、保存、移行及び廃棄までの期間をいう。
  • 5. 「例外データ」とは、無効化、再測定、欠測、外れた傾向その他、通常の報告経路から外れるデータをいう。

第4条(要求事項)

1 データ所有者とデータフロー

事業者は、工程ごとにデータ所有者、入力者、照査者、保存管理者及び最終判断者を定めること。観察から報告値までの転記、計算、形式変換及び外部受渡しをデータフロー図に示し、システム一覧、帳票一覧及び委託範囲との照合により管理対象の漏れを確認する。

2 発生時記録と帰属性

観察又は操作の時点で、実施者に固有の識別と日時を伴って記録し、後日の記憶による一括入力を避けること。紙では署名・日付、電子系では個別認証、機器では試料識別との対応を用い、入退室、装置ログ及び作業指図との時系列照合によって帰属を確認する。

3 原データ及びメタデータの保持

報告書、印刷物又は画面画像だけでなく、判断を再現するために必要な原データとメタデータを保持すること。動的記録は元の機能又は検証された代替手段で閲覧できるようにし、ファイル構成、取得条件、版及び関連する監査証跡を保存一覧と復元試験で確認する。

4 転記、計算及び表計算の統制

手入力、単位換算、丸め、計算式、データ取込み及び結果転送には、独立照合又は検証された自動確認を設けること。保護された原票、計算式一覧、セル変更履歴、照査署名及び既知データによる確認記録を用い、式の上書きや参照範囲の欠落を検知する。

5 完全なデータ集合と例外の扱い

採用結果だけでなく、失敗した取得、再試験、無効化、欠測及び中断を含むデータ集合を識別し、除外理由と承認を記録すること。試料受付一覧、装置連番、ファイル目録、試験成績書及び逸脱番号を照合し、選択的な報告又は説明のない欠番がないことを判定する。

6 保存、移行及び廃棄

事業者は、法令、契約、工程及び品質判断上の必要性に基づいて保存期間を定め、その根拠を文書化すること。媒体又はシステムの移行時には件数、内容、関連付け及び可読性を照合し、原記録の廃棄は承認と廃棄証跡を伴わせる。バックアップ、復元及び移行報告により継続利用を確認する。

7 委託データと品質判定への接続

外部試験機関又は委託加工先から受領するデータについて、原データの所在、変更通知、再発行、伝送及び照会の条件を合意すること。受領ファイルの識別、伝送記録、成績書の版、照会回答及びロット判定記録を結び付け、未確認の差異があるまま最終判断に用いない。

第5条(評価区分)

  • 適合:対象データの流れと責任が明確で、原データ、メタデータ及び例外を含めて判断過程を再構成できる。
  • 一部適合:主要データは管理されているが、補助記録、移行確認又は委託データの一部に不足があり、影響評価と是正計画が承認されている。
  • 不適合:原データの欠落、帰属不能、無承認の上書き、選択的報告、又は品質判断に用いた版を特定できない状態が認められる。

第6条(運用)

事業者はデータフローと抽出した記録の再構成結果に基づき自己適合宣言を行うことができる。本協議会は申請により、原データからロット判定までの一貫性及び例外処理を確認する。本基準は、記録技術、委託形態及びデータ利用方法の変化を踏まえて見直す。

附則

本基準は2026年9月3日から施行する。

※本基準は情報公開・品質管理のあり方に関する評価基準であり、個別製品の効果効能・安全性を保証するものではありません。

本基準は情報公開・品質管理のあり方に関する評価基準であり、個別製品の効果効能・安全性を保証するものではありません。事業者は本基準に基づき自己適合宣言を行うことができ、本協議会は申請に応じて確認を行います。基準の引用・活用に関するお問い合わせは こちら

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