一般社団法人 再生医療品質基準協議会 制定基準(原文)
一般社団法人再生医療品質基準協議会
制定:2026年9月8日 / 施行:同日
前文(制定の趣旨)
品質上の問題が提供後に分かった場合、倉庫内の在庫だけを止めても、配送途中や移管先にある物品には管理が及ばない。回収した数量が分かっても、使用済み、廃棄済み及び所在未確認の内訳がなければ対象全体の処理を説明できない。本基準は、回収範囲の判断から連絡、所在確認、回収品の処置及び終結までをつなぐため制定する。
第1条(目的)
回収の決定権限、対象の特定、提供先への指示及び数量照合を定める。対象品の再使用を防ぎ、物理的に戻らない対象も含めて処理状況を把握できることを評価する。
第2条(適用範囲)
再生医療・細胞加工に関わる細胞、原料、資材及び中間物等について、品質上の問題を理由に提供先から引き戻し又は使用停止を求める工程に適用する。出荷後に内部拠点へ移した物品、配送中の物品及び返却不能品を含む。通常の商取引上の返品とは案件を区別する。
第3条(用語の定義)
- 1. 回収対象範囲:回収又は使用停止を指示する品目、ロット、分割単位及び提供期間の集合。
- 2. 所在確認表:対象単位ごとの提供先、現在の所在及び使用状態を管理する記録。
- 3. 到達確認:指示が相手先へ届いたことと、その内容が受け取られたことの確認。
- 4. 数量照合:対象総量を、回収、使用済み、廃棄済み及び未確認等の状態別数量と突き合わせる作業。
- 5. 終結判定:連絡、所在、対象品処置及び未解決事項を審査して回収案件の完了を決めること。
第4条(要求事項)
1 判断体制と開始記録
事業者は回収の決定、連絡統括、物流及び品質確認の権限と代行を定めること。起点となる苦情、逸脱又は供給者通知から回収要否を判断し、開始又は見送りの理由を残す。所管部門は適用する公的手続と報告・連絡の要否を確認し、判断資料及び実施記録を保有する。初動の記録と承認を照合し、必要な出荷停止を原因調査の完了まで待たせない。
2 対象範囲の設定
原因に関係する原料、設備、包装又は期間から回収対象範囲を設定すること。分割、再包装及び別拠点への移管をロット系譜で辿り、範囲から外すものにも根拠を記す。情報不足がある段階の暫定範囲は明示し、新証拠による拡大又は縮小を改訂記録で承認する。
3 在庫と移動の停止
対象品は保管場所及び在庫システムで出荷・使用を止め、配送中の便には引渡し停止又は指定先への返送を指示すること。移管先で別の識別を付した物品も所在確認表へ接続する。出荷指示、運送記録及び在庫状態を照合し、停止後の追加払出しがないか確認する。
4 回収指示の伝達
通知には対象識別、回収理由、使用停止、分離保管、回答方法及び返送手順を明記すること。さらに移管した先がある場合は、その所在情報と指示の転達を求める。通知版、宛先及び到達確認を保存し、未達又は未回答の先には再連絡と別経路の使用を判断して経過を記録する。
5 返送と回収品の保管
回収品の包装、輸送条件及び返送先を対象の性状に応じて指定すること。到着時には現品の識別、数量及び状態を受付記録と照合し、使用可能在庫へ戻らない区画又は統制下へ置く。調査用に採取する場合は元の回収単位との関係を残し、処分までの授受を記録する。
6 未回収分の数量照合
対象総量と状態別数量を同じ単位へ揃え、回収済み、使用済み、確認済みの廃棄及び所在未確認を重複なく整理すること。相手先の報告は受領又は処分資料と照合する。返却不能でも所在確認表から削除せず、未確認の理由、追加調査及び品質上必要な連絡の判断を残す。
7 処分と終結の承認
回収品は調査上の保存要否を確認して処分方法を承認し、数量と処分証拠を結び付けること。事業者は終結条件を定め根拠を提示し、回収数量だけで完了を決めない。品質部門は到達確認、数量差、未解決の所在及び継続措置を審査し、未確認先を放置した終結を認めない。
8 模擬回収と是正追跡
模擬回収では対象ロットを選び、分割後の提供先、連絡経路及び数量内訳を実記録から再構成すること。事業者が実施時期と確認条件を定め根拠を示す。実回収と模擬回収の不足を是正案件へつなぎ、訂正した台帳や連絡経路を再確認する。回収資料の保存期間も定める。
第5条(評価区分)
- 適合:回収範囲、指示の到達、所在及び数量の処理が対応し、終結判断と是正の継続先を確認できる。
- 一部適合:対象の使用停止と所在確認は成立し、補助記録の整理等に限る不足へ完了計画がある。
- 不適合:移管先を追跡できない、未達先を放置する、又は返却不能分を対象数量から除いて終結する。
第6条(運用)
自己適合宣言は対象物品と回収体制の範囲を示す。本協議会は申請された実回収又は模擬回収について、対象総量から状態別の処理までを確認する。見直しでは流通経路の追加、連絡先の変更及び数量差の発生原因を踏まえ、所在確認と終結手順を改訂する。
附則
本基準は2026年9月8日から施行する。
※本基準は情報公開・品質管理のあり方に関する評価基準であり、個別製品の効果効能・安全性を保証するものではありません。