一般社団法人 再生医療品質基準協議会 制定基準(原文)
一般社団法人再生医療品質基準協議会
制定:2026年9月8日 / 施行:同日
前文(制定の趣旨)
保存場所を示す一語だけでは、外袋を開いた後の個包装、計量のために取り出す容器、溶解して別容器に移した試料などの扱いは決まらない。同じ製品でも開封段階により残る包装機能が異なり、読み手が指示を適用する時点を取り違えるおそれがある。本基準は、保存条件を実際の操作に落とし込み、購入時から使い切るまで必要な指示を見失わない表示のため制定する。
第1条(目的)
細胞機能関連成分を含む原料・製品について、状態ごとの保存場所、容器操作及び条件を外れた際の案内を明確にする。JRQ-Q-001が求める保存情報を具体化し、安定性資料で確認した条件を利用者が実行できる文章に対応させる。
第2条(適用範囲)
業務用の原料容器、最終製品の外箱・内袋・個包装、添付資料及び購入画面に示す保存指示に適用する。未開封、外装開封、直接容器開封、再封、詰替え及び調製後の状態を含む。保管設備の管理手順や試験方法の制定は扱わず、指示の内容と根拠の対応を対象とする。
第3条(用語の定義)
- 1. 包装段階:外箱、保護袋、直接容器等、内容物を囲む包装の階層。
- 2. 状態別指示:未開封、開封後又は調製後等の状態を指定して与える保存案内。
- 3. 再封操作:取出し後にキャップ、栓又は封止部を閉じ、指定の保管状態へ戻す操作。
- 4. 補助資材:乾燥剤、脱酸素剤及び遮光袋等、容器と併せて保存に用いる資材。
- 5. 条件逸脱案内:指定環境や容器状態を外れたとき、利用者が確認すべき事項と連絡方法を示す説明。
第4条(要求事項)
1 状態ごとの条件の割当て
包装段階のどこを開いた時点で保存条件が変わるかを整理し、状態別指示へ割り当てること。外袋だけを開けた場合と直接容器を開けた場合を同じ「開封後」にまとめる際は、その扱いの根拠を確認する。包装構成図、実物見本及び安定性評価を照合して表示案を承認する。
2 環境語の具体化
保存場所に関する温度、光及び湿気の指示は、事業者が製品ごとの規格を定めて根拠を示すこと。数値を記す場合は採用条件と単位を明確にする。「冷暗所」等を用いるときも、直射光、熱源又は湿気への対応が実行できる説明を添え、試験で確認した環境と表示語の意味を照合する。
3 温度移行時の取扱い
冷蔵品等を取出して計量し再保管する製品は、温度移行時の開栓、結露及び反復取出しを評価した範囲で案内すること。常温への移行、冷凍の可否又は容器を開ける時点を追加する場合は、取扱評価の記録を提示する。単に低い温度を勧める文言を、製品別の確認なしに採用しない。
4 容器と補助資材の維持
遮光袋への戻し方、キャップの閉め方、容器の向き及び補助資材を残す必要性を、包装設計に応じて示すこと。詰替えを案内する場合は、移替え先に必要な性状と手順を定める。実際の容器で開閉試行を行い、図記号だけでは誤読される箇所を文章で補い、資材仕様との一致を記録する。
5 開封後の時間情報
開封後の取扱期間を示す場合は、どの操作から数えるかを明記し、未開封期限との関係を説明すること。「早めに使用」等の語で期間の判断を代替しない。事業者が開封反復等の資料から期間を設定して根拠を提示し、表示の起点を試験操作と照合する。開始日を控えられる欄又は記録方法を用意する。
6 調製後と残部の区別
水への分散、溶解又は他原料との混合を案内する場合は、調製した部分と元容器の残部の保存指示を分けること。調製液の保持条件を示せる根拠がないときは、保存可能期間を推測して表示しない。調製手順、使用容器及び保持試験の範囲を確認し、認めた取扱いだけを説明欄へ載せる。
7 指示が残る表示位置
外箱を廃棄した後も必要な保存案内が直接容器等で確認できるようにすること。別媒体の詳説へ案内する場合も、必須の操作を参照先だけに置かない。包装を順に開く試行と端末画面の点検を行い、購入画面、同梱物及び保管時に手元に残る表示の指示を突き合わせる。
8 逸脱時の案内と資料保存
密封破損、指定外の温度又は水濡れが生じたときの照会先と、記録しておく容器状態・経過を示すこと。外観のみで利用可否を判断させる案内は採用しない。事業者は状態別指示、操作試行及び照会時の判断を保存する期間を定める。案内の不足は対象包装の説明を訂正し、改訂見本を操作試行で確かめる。
第5条(評価区分)
- 適合:開封段階、環境、容器操作及び期間の起点が定まり、手元に残る表示から必要な操作を確認できる。
- 一部適合:保存操作は再現でき、補助図の説明等に限る不足へ改訂予定が設定されている。
- 不適合:開封の意味が判別できない、根拠のない保存期間を案内する、又は外箱を捨てると必須指示が失われる。
第6条(運用)
自己適合宣言は包装構成と状態別指示の組合せを指定する。本協議会は申請された実物見本を用い、取出しから再保管までの指示を確認する。容器、補助資材又は調製案内の変更時に再点検し、定期見直しでは保存に関する照会から説明の不足を探す。
附則
本基準は2026年9月8日から施行する。
※本基準は情報公開・品質管理のあり方に関する評価基準であり、個別製品の効果効能・安全性を保証するものではありません。