一般社団法人 再生医療品質基準協議会 制定基準(原文)
一般社団法人再生医療品質基準協議会
制定:2026年9月6日 / 施行:同日
前文(制定の趣旨)
検査成績書の公開は、画像を掲示すること自体では完結しない。対象ロット、検体段階、試験項目、方法、規格及び発行状態が読み取れず、又は一部ページだけが切り出されていれば、消費者及び取引先は表示との対応を検証できない。他方、個人情報、試験機関の管理情報及び正当な営業秘密への配慮も必要である。本基準は成績書の作成や試験実施を品質管理の立場から規定するものではなく、保有する証拠を完全性と可読性を保って公開する条件を定める。
第1条(目的)
本基準は、細胞機能関連成分に関する検査成績書又はその公開版について、対象性、真正性、掲載範囲、秘匿処理、更新、閲覧及び表示との照合に必要な要件を定める。
第2条(適用範囲)
本基準は、原料、中間品及び最終製品の同一性、純度、異性体、含量、物性並びに安全性関連項目の成績書を、ウェブサイト、電子資料、紙面又は照会回答で外部へ開示する場合に適用する。全文公開及び必要事項を保った公開版の双方を含む。
第3条(用語の定義)
- 1. 原成績書:試験実施主体が所定の承認を経て発行した、変更前の成績書をいう。
- 2. 公開版:原成績書から開示可能な内容を抽出し、又は秘匿処理を施した資料をいう。
- 3. 検体段階:原料、中間品、最終製品その他、試験に供した時点の区分をいう。
- 4. 秘匿処理:公開対象外の情報を復元困難な方法で不可視化する処理をいう。
- 5. 公開識別子:公開版と原成績書、対象ロット及び版を対応付ける記号をいう。
第4条(要求事項)
1 対象資料の識別
公開版には、品目又は検体の識別、ロット、検体段階、採取若しくは受領に関する日付、試験期間、発行日及び試験実施主体を示す。取引上の名称を秘匿する場合は、表示製品との対応を確認できる公開識別子を残す。別ロットの成績書を例示資料として掲げるときは、当該ロットの証明ではない旨を明記する。
2 試験項目と結果の一体表示
各項目について、方法又は方法識別子、結果、単位、事業者が定めた規格、判定及び必要な注記を対応させる。定量下限若しくは検出下限に基づく表現には、その意味と適用方法を付す。結果欄だけを切り出し、どの項目又は単位か分からない状態で公開しない。
3 発行状態と真正性
原成績書が承認済みか、訂正版か、参考速報かを区別して示す。電子署名、検証可能な発行番号、照会窓口その他の手段により、公開版が正規の資料に対応することを確認可能にする。試験機関の様式に似せて事業者が再作成した表は、原成績書そのものとして表示しない。
4 掲載範囲と省略の透明性
一部の項目又はページのみを公開する場合は、原成績書の全体構成、公開した範囲及び省略理由を示す。省略によって不適合結果、再試験履歴又は判定条件が隠れないようにする。要約表を併用する場合は、原成績書からの転記照合を行い、要約作成主体と作成日を明記する。
5 秘匿処理と個人情報保護
氏名、署名、連絡先、価格、製造上の詳細等を秘匿する場合は、検体、ロット、試験方法、結果、判定及び発行主体の検証に必要な情報を残す。画像上に図形を重ねただけで元情報を抽出できる方式を避ける。秘匿箇所、理由及び承認記録を非公開の管理記録に保持する。
6 表示内容との照合
公開成績書の成分名、化学形態、純度の定義、異性体範囲及び含量単位を、容器包装又は取引仕様書の表示と照合する。原料段階の結果を最終製品の検査結果として表題化せず、どの表示事項を直接又は間接に裏付ける資料か説明する。第三者検査と称する場合は、委託関係と試験実施主体を識別できるようにする。
7 公開期間、訂正及び到達性
公開ページには掲載日又は更新日、資料版及び対象ロットを示し、製品の表示又は取引期間に応じて参照可能性を確保する。リンク切れ、閲覧権限又は特定端末依存により通常の確認が妨げられないよう代替照会手段を設ける。訂正時は旧版を無告知で置換せず、訂正理由、変更箇所及び新旧の関係を表示する。
第5条(評価区分)
- 適合:公開版から対象ロット、検体段階、方法、結果、規格、発行状態及び表示との対応を確認でき、省略、秘匿及び訂正の履歴が管理されている。
- 一部適合:判定の検証は可能だが、掲載日又は省略範囲の説明に不足があり、補完計画が提示されている。
- 不適合:対象ロットを特定できない、結果のみを切り出している、原資料と異なる転記を公開する、又は不適合若しくは再試験履歴を選択的に隠している。
第6条(運用)
事業者は、原成績書、公開版、転記照合記録、秘匿承認記録及び公開履歴に基づき自己適合宣言を行うことができる。本協議会は申請に応じ、公開識別子から原成績書及び表示ロットまでを確認する。公開媒体、試験実施主体、成績書様式又は秘匿方針を変更した場合は開示の完全性を再評価する。
附則
本基準は2026年9月6日から施行する。
※本基準は情報公開・品質管理のあり方に関する評価基準であり、個別製品の効果効能・安全性を保証するものではありません。