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異性体表示基準JRQ-D-003 制定:2026年9月6日

一般社団法人 再生医療品質基準協議会 制定基準(原文)

一般社団法人再生医療品質基準協議会

制定:2026年9月6日 / 施行:同日

前文(制定の趣旨)

同じ分子式又は慣用名で扱われる成分でも、鏡像異性体、幾何異性体、位置異性体その他の構造差を持つ場合がある。総量だけの表示では、どの異性体を配合し、分析上どこまで分離し、他の異性体を量に含めたかを判断できない。また、原料規格上の名称と一般向け略称の対応が曖昧であれば、別の構成を同等と受け取らせ得る。本基準は異性体の品質規格を代替せず、構造差を外部情報として正確に伝えるために制定する。

第1条(目的)

本基準は、細胞機能関連成分に異性体が存在する場合に、表示名称、構成比、総量との関係、分析上の識別範囲及びロット情報を明確にする開示要件を定める。

第2条(適用範囲)

本基準は、立体、幾何、位置、配座その他の異性関係を表示上区別する必要がある原料、異性体混合物、反応生成物、抽出物及び配合製品に適用する。互変異性又は測定条件下で相互変換する形態は、その状態を説明した上で対象に含める。

第3条(用語の定義)

  • 1. 異性体指定名:立体配置、結合位置等を識別できる名称をいう。
  • 2. 異性体組成:対象試料に含まれる各異性体の割合又は量の構成をいう。
  • 3. 異性体総量:定義した複数異性体を合算した量をいう。
  • 4. 異性体過剰率:一方の鏡像異性体の偏りを所定の計算で表す値をいう。
  • 5. 相互変換:保存、加工又は測定中に一つの異性体が別の形態へ移ることをいう。

第4条(要求事項)

1 異性体指定名の選択

単一異性体を示す場合は、立体記号、幾何記号又は位置番号等を含む識別可能な名称を用いる。慣用名又は略称を併記するときは、指定名との対応表を提示する。異性体を特定していない総称を、特定異性体のみであるかのように表示しない。

2 単独量と総量の区別

表示量が特定異性体の実量、複数異性体の合計又は原料混合物全体の量のいずれかを明記する。合算する場合は対象とした異性体一覧及び計算方法を示し、測定していない異性体を推定だけで総量へ加えない。事業者は構成に関する表示規格を定め、根拠を提示する。

3 組成比表示の読み方

異性体比、光学純度又は異性体過剰率を示すときは、式、分母、符号又は優勢側の意味を併記する。比率と含有量を別欄にし、比率が高いことだけで絶対量が多いとの印象を与えない。測定値、規格範囲及び代表値は区別して示す。

4 識別方法と分離範囲

分析法がどの異性体を分離又は識別できるか、共溶出若しくは識別不能な範囲があるかを開示する。旋光度、クロマトグラフィー、分光学的方法等の結果を提示する際は、標準物質、検出原理及び判定の役割を示す。一つの非特異的試験のみで全異性体構成を確定したと表現しない。

5 生成及び変化情報の反映

合成、発酵、抽出又は精製に由来する異性体構成を表示する場合は、その情報が適用される工程段階を示す。加熱、光、酸塩基条件、溶解又は保存で異性化若しくは相互変換が想定されるときは、最終製品又は表示期限までの確認範囲を説明し、原料時点の値だけを製品値として掲げない。

6 標準物質及び帰属根拠

各ピーク又は信号の異性体帰属について、標準物質、構造解析資料又は妥当な文献等の根拠を示す。標準物質の由来、値付け及び使用目的を記録し、未帰属信号は特定異性体名を付さず未帰属として開示する。推定帰属は確定帰属と表示上区別する。

7 ロット及び媒体への連結

異性体組成を公開するときは対象ロット、検体段階、試験日及び成績書の参照先を付す。容器包装で特定異性体を強調する場合は、取引仕様書及び検査資料でも同じ構造範囲を用いる。組成変更又は分析法変更後は適用開始ロットを示し、旧図表の継続利用を防ぐ。

第5条(評価区分)

  • 適合:異性体指定名、単独量又は総量、組成比の計算、識別方法及び対象ロットが相互に対応している。
  • 一部適合:主要異性体の範囲は明確だが、未帰属信号又は相互変換の説明に不足があり、補完の責任と時期が示されている。
  • 不適合:総称を特定異性体名として用いる、合算範囲を示さない、又は分離不能な方法で個別異性体量を確定表示する。

第6条(運用)

事業者は、名称対応表、異性体組成規格、分析上の帰属資料、ロット別結果及び媒体照合記録に基づき自己適合宣言を行うことができる。本協議会は申請に応じ、表示した構造範囲と検査上の識別範囲の一致を確認する。製法、保存条件、異性体構成又は分析法を変更した場合は再評価する。

附則

本基準は2026年9月6日から施行する。

※本基準は情報公開・品質管理のあり方に関する評価基準であり、個別製品の効果効能・安全性を保証するものではありません。

本基準は情報公開・品質管理のあり方に関する評価基準であり、個別製品の効果効能・安全性を保証するものではありません。事業者は本基準に基づき自己適合宣言を行うことができ、本協議会は申請に応じて確認を行います。基準の引用・活用に関するお問い合わせは こちら

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