一般社団法人 再生医療品質基準協議会 制定基準(原文)
一般社団法人再生医療品質基準協議会
制定:2026年9月6日 / 施行:同日
前文(制定の趣旨)
細胞機能関連成分の名称は、化学名、慣用名、原料名及び配合物名が混在しやすく、同じ語でも遊離体、塩、担体を含む調製物又は複数成分の総称を指すことがある。表示量についても、配合原料の重量と目的成分の実量が区別されなければ、消費者及び取引先は製品間の情報を適切に読み取れない。本基準は原料品質そのものの規格を定めるものではなく、品質管理で得られた情報を、表示対象、根拠資料及び更新状態が分かる形で開示するために制定する。
第1条(目的)
本基準は、細胞機能関連成分に関する名称、含有量、由来、形態、検査、保存及び注意情報について、誤認を避け、表示から根拠資料までを確認できる開示要件を定める。
第2条(適用範囲)
本基準は、細胞機能関連成分を含む原料、業務用配合物、中間品及び最終製品について、容器包装、仕様書、取引資料、電子商取引画面その他一般又は取引先へ提示する媒体に適用する。製造工程の合否判定は対象とせず、その結果を外部へ伝える表示を対象とする。
第3条(用語の定義)
- 1. 表示対象成分:名称及び量を外部へ示す化学種、構造群又は成分群をいう。
- 2. 表示値:一定の単位又は基準量に対応させて提示する含有量をいう。
- 3. 調製物量:担体、溶媒その他の付随成分を含む配合原料全体の量をいう。
- 4. 根拠資料:規格書、検査成績書、配合記録又は安定性資料等、表示内容を裏付ける記録をいう。
- 5. 主要表示面:購入又は取引判断の際に名称、量その他の主要情報が最初に認識される面をいう。
第4条(要求事項)
1 名称と対象範囲の明示
表示名称は、化学種、塩若しくは結合形態、異性体、由来又は成分群のうち、量の算定対象を識別できるものとする。略称を用いる場合は、同一媒体又は容易に到達できる説明欄に正式名称と略称の対応を示す。総称だけでは範囲が決まらないときは、含める成分と除外する成分を根拠資料により説明する。
2 量の基準点と換算関係
含有量は、製品単位、一日摂取目安量その他どの基準量に対する値かを近接して示す。目的成分実量、原料換算量及び調製物量を混同せず、換算表示には分子量、力価、含水分その他の計算条件と参照した規格版を提示する。事業者は表示値の管理範囲を定め、その根拠と確認方法を開示する。
3 由来及び形態に関する説明
由来が表示対象成分の識別又は取扱いに関係する場合は、合成、発酵、生物由来等の区分及び必要な原料情報を示す。粉末、油状、溶液、被包化その他の形態は、目的成分そのものの量と誤認されないよう説明する。由来又は形態の変更後は、旧説明を残置せず、変更日と適用ロットを確認可能にする。
4 品質確認情報への導線
同一性、純度、含量又は安全性関連項目について検査済みと表示するときは、対象項目、検体段階、対象ロット、試験実施主体及び成績書の確認方法を併記する。「第三者」の語は、当該検査について独立性を説明できる場合に限る。単なる認証図形又は合否記号だけで検査範囲を代表させない。
5 保存及び取扱表示の整合
温度、光、湿気、酸素、開封後の取扱い等に関する表示は、実包装で得た安定性資料又は合理的な評価に対応させる。表示期限内の全期間について同じ情報が適用できない場合は、未開封時と開封後を分けて示す。流通資料と容器包装の条件が異なるときは、適用段階を明確にする。
6 注意情報の配置
対象者、アレルゲン、由来上の留意点その他事業者が必要と判断した注意情報は、購入又は使用前に認識できる場所に置く。詳細を別媒体に掲載する場合も、主要表示面から到達方法を示し、閲覧に特別な契約を要求しない。注意情報を品質上の優位性を示す表現へ転用しない。
7 媒体間照合と改訂表示
容器包装、仕様書及び電子媒体の名称、単位、基準量、保存条件並びにロット対応を照合する。訂正又は改訂時は版、公開日、変更箇所及び適用対象を記録し、旧ロットの資料を新ロットへ自動的に置き換えない。消費者又は取引先から照会を受けたときは、提示した版を特定できるようにする。
第5条(評価区分)
- 適合:名称と量の対象が明確で、由来、形態、検査、保存及び注意情報が根拠資料と結び付き、媒体間及びロット間の対応を確認できる。
- 一部適合:主要表示に誤認はないが、補足資料への導線又は改訂履歴の一部が不足し、補完対象と対応時期が示されている。
- 不適合:調製物量を目的成分実量として示す、検査範囲を特定できない、又は相互に矛盾する表示を訂正せず公開している。
第6条(運用)
事業者は、表示一覧、根拠資料対応表、媒体間照合記録及び改訂履歴に基づき自己適合宣言を行うことができる。本協議会は申請に応じ、公開表示から当該版及び対象ロットの根拠資料までを確認する。名称、算定方法、原料形態、包装又は情報媒体を変更した場合は表示全体を再評価する。
附則
本基準は2026年9月6日から施行する。
※本基準は情報公開・品質管理のあり方に関する評価基準であり、個別製品の効果効能・安全性を保証するものではありません。